有機・自然栽培の面積を増やすことの重要性/農業は国防

有機・自然栽培の面積を増やすことの重要性/農業は国防

※この記事は、約6分で読めます。



有機(オーガニック)は、健康や環境にいいことで
知られているかと思います。


しかし、
それは健康や環境のためだけではなく、
これからの日本の農業や食の未来に関わる
とても重要なテーマでもあると考えています。



有機(オーガニック)や自然栽培など、
農薬や化学肥料に頼らない田んぼを増やす事は、


持続可能な農業を後世に残すためにも、
とても大切な取り組みだと思っています。


ただ、
現代の大量に必要な食を支えているのは、
紛れもなく従来の慣行農法ですから、
敬意を表しつつ、有事の際の国防につながる
農法の普及を広めていきたい、という想いです。


日本の農業は海外輸入に依存している



現在の日本では、
ほとんどの農業で化学肥料が使われており、
その割合は全耕地面積の99%以上です。

(化学肥料を使わない有機農業の割合は約0.7%)



そんな、現代の農業に不可欠な化学肥料、
実は主要原料のほぼ全量を
海外に依存していることをご存知でしょうか。




もしも、
有事や国際情勢の変化によって物流が止まった場合、
肥料が高騰したり、入手が困難になる可能性があります。


そうなれば、これまでと同じ方法で農業を続けることが
難しくなるかもしれません。


ニュースではほとんど取り上げられませんが、
食を支える上で大きな課題のひとつだと思います。


すぐに有機や自然栽培へ切り替えることは難しい


長年、農薬や化学肥料を使用してきた土は、
本来の力を十分に発揮できない状態になっています。

土の中には本来、微生物が多く存在し、
作物の栄養になるなど、成長を支えています。


しかし農薬などの影響によって、
微生物が減少し、そのバランスが崩れているのです。


その状態で急に有機・自然栽培に切り替えた場合、
微生物が少ない上に土の栄養が少なく、上手くいかないことが多くなってしまいます。


土を育てるには時間がかかる


有機や自然栽培に取り組む上で重要なのは「土」です。


自然の力を活かした農業を行うためには、
微生物が豊かに働く元気な土を育てる必要があります。

「奇跡のりんご」で知られる木村秋則さんも、
農薬や化学肥料を使用してきた田んぼの土が、
本来の状態に戻るまでに短くても5年ほどかかると語っています。



農林水産省の調査によると、
有機農業の収穫量は慣行農業と比較して、

取組みを始めて1~4年目は約75%まで低下し、
5年目以降は約90%まで回復しています。

もちろん、作物や地域、土の状態、
栽培方法によって結果は異なります。


私が栽培に携わっている有機米きぬひかりは、
収穫量が多い田んぼで1反あたり約6俵、
少ない田んぼで約5俵となります。


慣行農法における平均の収穫量は、地域や
品種にもよりますが、1反あたり8-10俵となっています。

1反:300坪 (約1,000㎡)
1俵:お米60kg


有機米きぬひかりの田んぼは、
有機栽培を初めて10年以上が経過していますが、
慣行農法の平均収穫量の約60%ほどの収穫量です。


上記の通り、自然環境によって収穫量は異なりますが、
それでも収穫量は、年々安定してきていると言えます。


今から有機/自然栽培を増やすべき理由



有機・自然栽培には多くの手間と時間がかかり、
かつ収穫量が少なく、すぐには切り替えられない
といった現実があります。

しかし、
化学肥料の輸入ができない状況になったとき、
その時になって初めて土づくりを始めても、
すぐに安定した農業は難しいと思っています。


だからこそ今のうちから、
有機や自然栽培の面積を少しでも増やすこと。
土を育てること。栽培技術や経験を積み重ねること。


こうした取り組みが必要になると思っています。


未来の食を守るために


有機や自然栽培の面積を増やしていくことは、
健康や環境のためだけではありません。


海外資源への依存を少しでも減らし、
国内資源で食を生産し続ける力を高めることは、
日本の食を守るための国防であると思います。


今すぐ全てを変えることはできなくても、
今のうちから少しずつ積み重ねていくことが、
自然が舞台となる農業にとって大切な事だと思います。